医療機器を廃棄処分する方法3選|処分時に押さえるべき注意点も紹介
目次
機器の入れ替えや病院の閉鎖などの事情で医療機器を処分しようにも、どのようにすればいいかわからない人もいるでしょう。医療機関で使用した医療機器は家庭ごみとは異なり、所定の手続きを経たうえで処分する必要があります。
本記事では、医療機器を廃棄処分する方法を解説します。処分する際に知らないうちに法律違反となる事態を避けるポイントも説明しているため、ぜひ参考にしてください。
医療機器を廃棄処分する方法

医療機関やクリニックで不要になった医療機器を処分する方法は、主に以下の3つです。
- メーカーに引き取ってもらう
- リース元の業者に返却する
- 産業廃棄物収集運搬業者に依頼する
機器の状態や導入経緯によって最適な方法が異なるため、把握したうえで選びましょう。
メーカーに引き取ってもらう
医療機器を購入したメーカーによっては、不要になった機器を引き取るサービスを提供しています。新しい機器へ入れ替えるタイミングであれば、古い機器を下取りに出して導入コストを抑えられる場合もあります。
ただし、メーカーが廃棄物として引き取る場合は、産業廃棄物収集運搬業の許可が必要です。許可を保有していないメーカーでは対応できないため、まず問い合わせの段階で確認しましょう。
なお、製造終了から年数が経過した旧型機種は対応できない場合も多いため、型番を伝えたうえで早めに確認しておくことをおすすめします。費用が発生するかどうかもメーカーによって異なるため、見積もりをとってから判断すると良いでしょう。
リース元の業者に返却する
リース契約で導入した医療機器の場合は、原則として契約終了時にリース元の業者へ返却します。返却時の手続きはリース会社が窓口となるため、処分方法を個別に手配する必要がありません。
注意したいのは、契約期間中にクリニックの閉院や診療科の縮小などの理由で、返却が必要になったケースです。契約期間中の場合、中途解約金が発生することがあります。費用の目安はリース会社や契約内容によって異なるため、返却前に契約書を確認しておきましょう。
また、機器に故障や不具合がある場合は、返却時に状態を正直に伝えてください。不具合を黙って返却してしまうと、後から修理費用を請求されるトラブルにつながる可能性があります。返却前に動作状況をチェックし、問題があればリース会社に事前に連絡しておきましょう。
産業廃棄物収集運搬業者に依頼する
医療機器は産業廃棄物に該当することから、業者に依頼する際は産業廃棄物収集運搬業の許可を保有しているかどうか確認してください。
許可を保有していない業者では、医療機器を回収できません。許可を保有している業者であれば、ホームページにて明記しています。
なお、感染性医療廃棄物に該当する機器を処分する場合は「特別管理産業廃棄物収集運搬業」を保有しているかどうかの確認が必要です。感染性医療廃棄物とは「人が感染し、または感染するおそれのある病原体が含まれ、もしくは付着している廃棄物」です。
感染性医療廃棄物を回収できるのは、特別管理産業廃棄物収集運搬業の許可を保有している業者に限られます。該当する医療機器の例は、血液が付着した状態の医療器材や、手術室・集中治療室などで使用された後の機器などが挙げられます。
処分する機器の種類や使用状況をあらかじめ整理したうえで、必要な許可を保有している業者に依頼しましょう。
産業廃棄物収集運搬業について詳しくは、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
医療機器を廃棄処分する際の注意点

医療機器の廃棄処分には、法律で定められたルールが複数あります。手続きを誤ると、医療機関やクリニック側が罰則を受けるリスクがあるため、事前に押さえておきましょう。
- 廃棄物処理法に則って処分する必要がある
- 感染性医療廃棄物に該当する機器は厳格に保管する必要がある
- 専門業者に依頼する際は念入りに選定する
- 処分完了後に受け取る廃棄証明書は5年間保存する
ひとつずつ解説します。
廃棄物処理法に則って処分する必要がある
医療機器はすべて「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」に基づいて処分する必要があります。医療機器は事業活動にともない発生する産業廃棄物に該当するため、家庭ごみとして廃棄したり、無許可の業者に引き渡したりすることはできません。
具体的なケースは、診察で使用したカテーテルや注射筒を通常の燃えるごみとして廃棄する場合です。
処分方法を誤ると廃棄物を排出した医療機関・クリニック側が不法投棄とみなされ、懲役や罰金などの罰則を科せられることがあります。依頼先が無許可業者だった場合、排出事業者である医療機関側も責任を問われます。
廃棄物処理法は医療機関・クリニックの規模を問わず適用されるため、処分の都度、正規の手続きを踏んで処分してください。
感染性医療廃棄物に該当する機器は厳格に保管する必要がある
感染性医療廃棄物に該当する機器を取り扱う場合、法律により厳重な保管が義務付けられています。
保管場所は関係者以外が立ち入れないよう施錠管理が必要で、他の廃棄物と区別して保管しなければなりません。また、容器には「バイオハザードマーク」などの表示をすることが求められます。
感染性・非感染性の分類の目安を、以下の表に整理しました。
|
分類 |
該当する機器の例 |
|---|---|
|
感染性医療廃棄物 |
血液等が付着した注射針やメス、手術室・集中治療室・検査室で使用された医療器材、透析等回路、輸液点滴セット |
|
非感染性医療廃棄物 |
上記に該当しない一般的な医療機器(血液等の付着がなく、感染症病床等以外で使用されたもの) |
誤って処分することがないように、分別を徹底しましょう。
感染性廃棄物の処分については以下の記事でも解説しています。ぜひ参考にしてください。
感染性廃棄物(医療廃棄物の)「バイオハザードマーク」の意味や種類について
専門業者に依頼する際は念入りに選定する
医療機器の処分を業者に依頼する場合は、許可の種類を確認したうえで選定してください。許可を保有していない業者に依頼してしまうと、排出事業者である医療機関側も法律違反に問われます。
確認すべき許可の種類は、以下の2つです。
- 産業廃棄物収集運搬業
⇒医療機器全般を処分する際に必要 - 特別管理産業廃棄物収集運搬業
⇒感染性医療廃棄物に該当する機器を処分する際に必要
許可証は業者のホームページに掲載されているほか、依頼前に写しを提示してもらうことで確認できます。また処分費用は業者によって異なるため、依頼先を決める際は複数社から見積もりを取り、内訳を比較したうえで判断しましょう。
見積もりや問い合わせの際の対応の丁寧さや誠実さも、業者選びの参考になります。
処分完了後に受け取る廃棄証明書は5年間保存する
医療機器を業者が処分した後に発行される廃棄証明書は、法令により5年間の保存が義務付けられています。
また、廃棄証明書とともにマニフェスト(産業廃棄物管理票)と呼ばれる、廃棄物が最終処分まで適正に処理されたことを確認する書類も保管が必要です。排出事業者である医療機関には、廃棄物を引き渡した時点から処理が完了するまでの一連の流れを記録し、管理する責任があります。
保管形式は紙・電子データを問いません。ただし、廃棄証明書が領収書の役割を兼ねている場合は、法人税法の規定により7年間の保存が必要になります。
処分の記録はどの書類にどの役割があるかを整理したうえで、適切に保管してください。
医療機器の廃棄処分についてまとめ

医療機器の廃棄処分は、廃棄物処理法に基づいて適切に進める必要があります。処分方法はメーカーへの引き取り依頼やリース元への返却、産業廃棄物収集運搬業者への依頼の3つが挙げられます。機器の状態や導入経緯に合わせて、最適な方法を選んでください。
とくに注意が必要なのは、感染性医療廃棄物に該当する機器の取扱いです。感染性廃棄物は厳重に保管したうえで「特別管理産業廃棄物収集運搬業」の許可を保有する業者への依頼が必要です。依頼した後はマニフェストと廃棄証明書を受け取り、5年間は保存してください。
医療機器の廃棄処分でお困りの際は、山本清掃にご相談ください。当社は京都府の産業廃棄物収集運搬業許可を保有した事業者で、医療機器をはじめとしたさまざまな産業廃棄物の引き取り処分に対応しております。見積もりは無料ですので、まずは電話・メール・LINEにて気軽にお問い合わせください。
この記事を書いた人

山本 智也代表取締役
資格:京都3Rカウンセラー・廃棄物処理施設技術管理者
廃棄物の収集運搬や選別、営業、経営戦略室を経て代表取締役に就任。
不確実で複雑な業界だからこそ、わかりやすくをモットーにあなたのお役に立てる情報をお届けします。