産業廃棄物収集運搬業とは?|許可の取得方法を詳しく解説
目次
産業廃棄物収集運搬業とは、企業や工場で発生した産業廃棄物を収集し、処理施設へ運搬する業務のことです。事業を通して発生した産業廃棄物は、産業廃棄物収集運搬業の許可を保有した業者でないと、回収できません。
また産業廃棄物は多岐に渡り、適切に処分することが法律で決められています。
本記事では、産業廃棄物収集運搬業の目的と具体的な分類を紹介します。産業廃棄物収集運搬業を始めるにあたって必ず必要となる許可の取得方法も詳しく解説しているため、ぜひ最後までご覧ください。
産業廃棄物収集運搬業とは?
産業廃棄物収集運搬業がどのような業務なのか、気になる人は多いでしょう。ここからは、産業廃棄物収集運搬業の目的と、産業廃棄物に分類される廃棄物について解説します。
産業廃棄物収集運搬業の目的
産業廃棄物収集運搬業は、企業や工場から発生する産業廃棄物を適切に収集し、処理施設へ運搬することを目的とした業務です。主な目的は環境保護や法令遵守の支援、リサイクル促進などが挙げられます。
産業廃棄物を不適切に処理してしまうと、環境へ悪影響を及ぼすため、適切な運搬・処理をおこなうことで環境汚染を防いでいます。
産業廃棄物は、ごみを排出した事業者が適切に処理する責任を負わなければなりません。産業廃棄物収集運搬業は、排出事業者が法律に基づいて産業廃棄物を適切に処理するためのサポートを提供しています。
また、多くの産業廃棄物にはリサイクル可能な資源が含まれています。収集運搬業は再生可能な資源をリサイクル施設に運ぶことで、環境保護に大きく貢献していると言えるでしょう。
産業廃棄物に分類される廃棄物
事業活動によって発生する廃棄物は、法律により以下の20種類に分類されています。
- 燃えがら
- 汚泥
- 廃油
- 廃酸
- 廃アルカリ
- 廃プラスチック類
- ゴムくず
- 金属くず
- ガラス・コンクリート・陶磁器くず
- 鉱さい
- がれき類
- ばいじん
- 紙くず
- 木くず
- 繊維くず
- 動物系固形不要物
- 動植物性残さ
- 動物のふん尿
- 動物の死体
- コンクリート固形化物など、上記の産業廃棄物を処分するために処理した物で、1~19に該当しない物
産業廃棄物は排出事業者に処理責任があり、専門の収集運搬業者や処理業者に委託することが一般的です。
一方、産業廃棄物以外の廃棄物を「一般廃棄物」と定義しています。一般廃棄物とは、家庭やオフィスなどから出る廃棄物で、各自治体が収集・処理を行っており、処理責任を負っています。
産業廃棄物収集運搬業許可を取得する際のポイント2つ
産業廃棄物収集運搬業の許可は、各自治体が発行しています。許可証には種類があり、有効期限も定められているため、取得する際は適切に理解しておくことが大切です。
許可証の種類と有効期限
産業廃棄物収集運搬業の許可証には「産業廃棄物収集運搬業」と「特別管理産業廃棄物収集運搬業」の2種類があります。それぞれの許可証は、取り扱う廃棄物の種類や安全対策の厳しさに違いがあります。
産業廃棄物収集運搬業 |
特別管理産業廃棄物収集運搬業 |
|
---|---|---|
対象となる廃棄物 |
企業や工場などから排出される一般的な産業廃棄物 |
危険性の高い廃棄物 (廃油、廃酸、廃アルカリ、感染性廃棄物など) |
安全基準 |
特別管理産業廃棄物収集運搬業ほど厳しくない |
高度な安全対策が必要 |
有効期限 |
5年間 |
5年間 |
どちらの許可証も、有効期限が近づくと許可の更新手続きが必要です。更新するためには、講習の受講や必要書類の提出が求められますが、手続きをきちんとおこなうことで引き続き業務を続けられます。
産業廃棄物の適切な収集・運搬は、環境保護や安全確保のために重要な役割を果たしています。許可証の更新を忘れずにおこない、常に法令を遵守した運営を心がけることが重要です。
許可の取得方法
産業廃棄物の収集運搬をおこなうためには、各自治体からの許可が必要です。産業廃棄物収集運搬業の許可を取得するためには、申請書類の提出と一定の条件を満たすことが求められます。
申請時に必要な書類は、以下のとおりです。
- 産業廃棄物収集運搬業許可申請書
- 事業計画書
- 車両一覧表など
また、許可申請をおこなう前に、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターが実施する講習を受講することが義務づけられています。
全国各地で1〜2日間の集中講習で開催されており、処理方法や再生利用、安全衛生管理などについて学びます。修了後には修了証を取得し、申請書類と一緒に提出します。
申請者は「経営管理能力」「技術的能力」「財務的能力」の要件を満たすことに加えて、欠格要件に該当しないことが条件です。すべての条件をクリアしたうえで、申請書類が提出されると自治体による審査がおこなわれ、許可が下されます。
産業廃棄物の収集運搬業には必ず許可が必要なため、しっかりと認可を受けたうえでスタートしましょう。
産業廃棄物収集運搬業についてまとめ
産業廃棄物収集運搬業は、環境汚染を防ぐために非常に重要な業務です。
事業活動から発生する廃棄物を適切に収集・運搬し、リサイクルや処理施設へ届けることで地球環境を守り、資源の再利用を促進しています。
産業廃棄物の収集運搬をおこなうためには、自治体からの許可が必須です。講習を受講したうえで、必要書類の提出や条件を満たさなければなりません。
山本清掃は、産業廃棄物収集運搬業の許可を取得している回収業者です。自治体から正式に認定を受けているため、産業廃棄物の処理にお困りの場合は、電話・メール・LINEにて、山本清掃にご相談ください。この記事を書いた人

山本 智也代表取締役
資格:京都3Rカウンセラー・廃棄物処理施設技術管理者
廃棄物の収集運搬や選別、営業、経営戦略室を経て代表取締役に就任。
不確実で複雑な業界だからこそ、わかりやすくをモットーにあなたのお役に立てる情報をお届けします。