産業廃棄物掲示板の必要性と適切な設置方法をくわしく解説
目次
産業廃棄物を扱う企業にとって、廃棄物の保管場所に掲示板を設置することは法律で義務付けられている重要事項です。設置義務を怠ると罰則を科せられる恐れがあります。
この記事では、産業廃棄物保管場所の掲示板についてわかりやすく解説します。記載すべき内容や作成時のポイントも解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
産業廃棄物掲示板とは?
産業廃棄物を一時的に保管する場所には、産業廃棄物掲示板の設置が法律で義務付けられています。
廃棄物処理法に定められた保管基準のひとつが、保管場所の見やすい位置に必要事項を表示した掲示板の設置義務です。
掲示板を設置することで、保管中の産業廃棄物の種類や管理者などの情報が周囲にも明確に伝わり、万が一トラブルが起きた際の迅速な対応にも役立ちます。
また、掲示板によって廃棄物管理の責任の所在がはっきり示されるため、安全で適切な保管管理につながります。
掲示板が未設置と見なされた場合、行政から指導を受けたり、罰則の対象となったりする可能性もあります。事業者は法令を遵守し、適正な掲示板設置を徹底しましょう。
産業廃棄物掲示板に記載すべき内容
産業廃棄物掲示板に記載すべき主な内容は、以下の5つです。
- 掲示板の見出し
- 産業廃棄物の種類
- 壇業廃棄物の保管量
- 管理責任者の氏名・連絡先
- 保管の高さ
ひとつずつ確認していきましょう。
掲示板の見出し
掲示板の上部には「産業廃棄物保管場所」であることが、ひと目でわかる見出しを表示します。
「産業廃棄物保管場所」や「産業廃棄物保管施設」など、保管場所である旨をはっきり示すタイトルを掲げましょう。
産業廃棄物の種類
どの種類の産業廃棄物をどこに保管しているかを明記します。
「汚泥」「廃プラスチック類」「金属くず」など、法律で定められた産業廃棄物の区分に従った名称で記載しましょう。
適切な品目名を記載することで関係者はもちろん、行政の担当者にも保管物を正しく伝えられます。
壇業廃棄物の保管量
保管している産業廃棄物の数量や容量を可能な範囲で表示します。
何袋・何kg・何立方メートル程度保管しているか、または保管可能な上限量を記載しておきましょう。
数量の表示は法令上明記が必須とまではされていませんが、実際には保管状況を把握する助けになります。
数量を書いておけば、保管できる量を超えそうなときに注意喚起になることに加え、第三者から見ても管理状況が一目でわかります。
管理責任者の氏名・連絡先
保管場所の管理責任者として、担当者の氏名と連絡先を掲示します。火災など万が一のトラブルや緊急事態が発生した際に、迅速に連絡・対応できるようにするためです。
社外の人だけでなく、社内の別部署や作業員が見ても「誰に連絡すればよいか」がすぐわかるようになります。連絡先は、日中確実につながる電話番号を記載しましょう。
保管の高さ
屋外で容器を使わずに廃棄物を直接山積みで保管している場合では、最大保管高さを掲示します。
容器を使用する場合や屋内で保管している場合はこの項目の記載義務はありません。
産業廃棄物掲示板を作る際の3つのポイント
産業廃棄物の掲示板が必要とはいえ、どのように作れば良いのかわからない方も多いでしょう。作る際のポイントは、以下の3つです。
- 縦・横ともに60cm以上の大きさで作る
- 掲示板を見えやすい場所に設置する
- 読みやすい文字を使う
適切に掲示板を作るためにも、ぜひ参考にしてみてください。
縦・横ともに60cm以上の大きさで作る
掲示板の大きさは縦60cm以上×横60cm以上と法律で定められています。小さすぎる看板は、設置していないのと同じと見なされる可能性もあります。
規定サイズを下回ることがないように、気をつけましょう。
掲示板を見えやすい場所に設置する
掲示板は周囲から見やすい位置に設置しましょう。
敷地の出入口付近など人目につきやすい場所に設置し、遠くから掲示板が確認できれば周囲への注意喚起やトラブル時の迅速な対応にもつながります。
読みやすい文字を使う
法律上、文字の大きさやフォントに明確な規定はありません。
ただし、できるだけ大きくはっきりと記載し、遠くからでも読み取れるようにしましょう。文字が小さいと情報が伝わらず、事故やトラブルにつながる恐れがあります。
産業廃棄物掲示板についてまとめ
産業廃棄物掲示板は、事業者が産業廃棄物を適正に保管・管理するうえで欠かせない物です。
定められた事項をしっかり表示し、誰にでも見やすくわかりやすい掲示板を設置することは、安全な事業活動につながります。
産業廃棄物の処分に困っている場合は、専門業者に相談してみてください。
山本清掃は環境省が推奨する「優良事業者」として、これまで1万社以上との取引実績がある廃棄物処理業者です。産業廃棄物の処理を検討している場合は、電話・メール・LINEにて、山本清掃にご相談ください。この記事を書いた人

山本 智也代表取締役
資格:京都3Rカウンセラー・廃棄物処理施設技術管理者
廃棄物の収集運搬や選別、営業、経営戦略室を経て代表取締役に就任。
不確実で複雑な業界だからこそ、わかりやすくをモットーにあなたのお役に立てる情報をお届けします。