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産業廃棄物

公開日:2025-09-26   更新日:2025-09-26

建設廃棄物とは?処理方法や産業廃棄物との違い、注意点を徹底解説

建設現場の廃棄物は環境保全と法令遵守の観点から、適切な処理管理が必要な重要課題です。廃棄の際は建設廃棄物と産業廃棄物の違いや処理方法、リサイクル基準について十分に理解したうえで処理しましょう。

本記事では建設廃棄物の法的定義や分別方法、産業廃棄物との違いを解説します。廃棄時の注意点も説明しているため、環境負荷を抑えながら安全に廃棄物を処理しましょう。

建設廃棄物とは、建設工事の際に出る廃棄物のこと

建設廃棄物とは、建設工事の際に出る廃棄物のこと

建設廃棄物とは、建設工事をおこなう際に発生するさまざまなごみや不要物のことです。産業廃棄物には工事現場から出る木材の切れ端や金属の破片、コンクリートの塊などが含まれます。

廃棄物の多くは、適切に処理すればリサイクルできる貴重な資源になります。たとえば、コンクリートは粉砕処理を施すことで新たな建材として生まれ変わり、木材は燃料用チップや別の木製品の材料として再利用が可能です。

廃棄物をできるだけリサイクルすれば、環境保全につながります。

建設廃棄物の種類

建設廃棄物の種類

建設廃棄物は、大きく分けて以下の4種類に分類されます。

  1. 一般廃棄物
  2. 安定型産業廃棄物
  3. 管理型産業廃棄物
  4. 特別管理産業廃棄物

それぞれ処理方法や取り扱いのルールが異なるため、ひとつずつ見ていきましょう。

一般廃棄物

一般廃棄物とは、日常生活で出るごみと同じ廃棄物のことです。建設工事の現場でも、一般廃棄物が発生することがあります。例えば、以下のような物です。

  • 河川堤防や道路の草刈り作業で出る刈草
  • 道路の植樹帯などの手入れで出る剪定した枝葉

これらは建設工事に関連して発生するものの、一般的な生活ごみと変わらないため、一般廃棄物として処理できます。

安定型産業廃棄物

安定型産業廃棄物は、有害な物質や有機物が含まれていない安全な廃棄物のことです。性質が変化しにくいため、専用の処分場で安全に埋め立て処理できます。

安定型産業廃棄物に該当する物は、以下のとおりです。

  • がれき類(コンクリートの破片など)
  • 廃プラスチック類
  • ゴムくず
  • 金属くず(鉛を含まない物)
  • ガラスくず、コンクリートくず、陶磁器くず

安定型産業廃棄物は、比較的処理しやすい廃棄物として扱われています。

管理型産業廃棄物

管理型産業廃棄物は、時間が経つと性質が変わる可能性があり、環境に悪影響を与えるおそれがある廃棄物です。そのため、慎重な取り扱いが必要になります。

管理型産業廃棄物に該当する物は、以下のとおりです。

  • 鉛を含んだ金属くず
  • 木くず
  • 紙くず
  • 繊維くず
  • 廃油
  • ガラスくず、コンクリートくず、陶磁器くず
  • 汚泥

適切に管理された処分場でないと処理できないため、処理費用も安定型より高くなる傾向があります。

特別管理産業廃棄物

特別管理産業廃棄物は、産業廃棄物の中でも特に人の健康や環境に深刻な害を与える可能性がある廃棄物です。

特別管理産業廃棄物は爆発の危険性があったり、人体に有毒だったりするため、法律で厳格な管理が義務付けられています。該当する廃棄物は、以下のとおりです。

  • 廃油(特定の種類)
  • 廃PCB(ポリ塩化ビフェニル)等および廃PCB汚染物
  • 廃石綿等(アスベスト)

保管する際は必ず囲いを作り、飛び散ったり流出したりしない対策を施すことが法律で定められています。

建設廃棄物と産業廃棄物との違い

建設廃棄物と産業廃棄物との違い

「建設廃棄物って、要は産業廃棄物のことでは?」と疑問に思う人も多いでしょう。建設廃棄物と産業廃棄物は、似ているようで全く異なります。

主な違いを以下の表にまとめました。

項目

建設廃棄物

産業廃棄物

定義

建設工事にともない発生する廃棄物の総称

事業活動にともない発生する20種類に分類される廃棄物

概念

産業廃棄物と一般廃棄物の両方を含む

建設廃棄物の一部

処理責任者

元請業者(発注者から直接工事を請け負った業者)

排出事業者

法的根拠

廃棄物処理法、建設リサイクル法

廃棄物処理法

参照:廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)|e-Gov法令検索

簡単にいうと、建設廃棄物の中に産業廃棄物も含まれているということです。処理責任者も異なるため、両者を混同してしまうと「本来は処理の義務がなかったのに請け負ってしまった」ということになりかねません。

【関連記事】【簡単にわかる】産業廃棄物とは?種類や定義、処理の仕方について徹底解説!

建設廃棄物の処理方法2つ

建設廃棄物の処理方法2つ

建設廃棄物の処理方法は、大きく分けて以下の2つがあります。

  1. 自社で処理する方法
  2. 業者に委託する方法

どちらを選択するかは工事の規模や廃棄物の種類、コストなどを総合的に判断して決めることになります。

自社で処理する方法

自社で処理する場合は、以下の手順で進めます。

  1. 建設廃棄物を保管する
  2. 処分場に運搬する
  3. 処理する

自社で処理するにあたり、以下の重要なルールを守る必要があります。

  • 保管場所に60cm角の看板を設置する
  • 工事現場から離れた300平方メートル以上の場所で保管する場合は届出が必要
  • 廃棄物を運ぶ車両には特定のステッカーを貼る
  • 廃棄物の運搬中は必要書類を必ず携帯する
  • 焼却は許可された焼却プラントでおこなう
  • 埋め立ては許可された最終処分場でおこなう

環境保護と社会的責任のために設けられているため、処理する前にクリアできているか押さえておきましょう。

【関連記事】産業廃棄物の自社運搬は許可不要!書類携帯や表示義務など注意点を解説

業者に委託する方法

建設廃棄物を専門業者に処理してもらう場合は、以下の手順を踏みます。

  1. 業者と契約を結ぶ
  2. マニフェスト(管理表)を発行する
  3. 処理が終わったら、業者からマニフェストが返送されて処理完了

マニフェストとは、廃棄物の運搬や処理を記録する書類のことです。マニフェストは廃棄物を出した事業者が5年間保存する義務があり、紙の場合はきちんと保管し、電子データの場合は消失しないよう管理する必要があります。

委託する際は、業者が産業廃棄物処分の許可を持っているか必ず確認しましょう。許可のない業者と契約すると法律違反となり、営業停止などの厳しい罰則を受けることがあります。

建設廃棄物を処理する際の注意点2つ

建設廃棄物を処理する際の注意点2つ

建設廃棄物の処理で特に注意すべきポイントは、以下の2つです。

  1. 廃棄物の種類によって処理の仕方が異なる
  2. 特定の廃棄物はリサイクルが義務付けられている

法的な問題に発展することもあるので、気を付けましょう。

廃棄物の種類によって処理の仕方が異なる

建設現場では「産業廃棄物」と「一般廃棄物」の2種類の廃棄物が発生します。同じ紙くずでも排出される場所や状況によって処理方法が全く異なるため、どちらに分類されるのかガイドラインを入念に確認しましょう。

分類例を、以下の表にまとめました。

産業廃棄物

一般廃棄物

  • 建設工事中に出る紙くず
  • 事務所で使うメモ
  • 新聞
  • 雑誌
  • 設計図など

それぞれ処分方法や処分にあたり必要な許可証が異なるため、間違った方法で処理すると罰則を受けることがあります。

【関連記事】産業廃棄物と一般廃棄物の違いについてわかりやすく解説

特定の廃棄物はリサイクルが義務付けられている

建設リサイクル法では、特定の建設資材から出る以下の廃棄物について、リサイクルすることが法律で義務付けられています。

  • コンクリート
  • 鉄筋コンクリート
  • 木材
  • アスファルトコンクリート

建設リサイクル法とは、建設工事で発生する廃棄物のリサイクルを促進し、資源の有効活用と環境負荷の低減を目的とした法律です。対象となる工事から出る廃棄物はただ処分するのではなく、リサイクルすることが法的に求められることを覚えておきましょう。

参照:建設リサイクル法の概要|環境省

建設廃棄物とはまとめ

建設廃棄物とはまとめ

建設廃棄物は、建設工事の際に出るさまざまなごみのことです。建設廃棄物の処理責任は元請業者にあり、廃棄物の種類に応じて適切な方法を選択する必要があります。自社処理でも業者委託でも、法律で定められたルールを守ることが環境保護と社会的責任を果たすことにつながります。

特に特別管理産業廃棄物やリサイクル義務のある廃棄物については、慎重な取り扱いが求められるので、注意して対応しましょう。

産業廃棄物の処分でお困りの場合は、専門業者にご相談ください。山本清掃は環境省推奨の「優良事業者」であり、1万社以上との取引実績がある廃棄物処理業者です。産業廃棄物の処理をご検討の際は、電話メールLINE山本清掃までお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

山本 智也

山本 智也代表取締役

資格:京都3Rカウンセラー・廃棄物処理施設技術管理者
廃棄物の収集運搬や選別、営業、経営戦略室を経て代表取締役に就任。
不確実で複雑な業界だからこそ、わかりやすくをモットーにあなたのお役に立てる情報をお届けします。

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