建設リサイクル法とは?内容や罰則・違反事例などを詳しく解説
目次
建設リサイクル法とは、2000年に制定された建設工事における資材の再資源化等を定めた法律です。対象となる資材や工事などが細かく定められており、届出を怠るなど違反すると罰則が科せられます。
発注者だけでなく、受注者・元請業者にも報告や書類提出などが義務付けられているため、法を正しく理解し、工事を適切に進めなければなりません。
本記事では、建設リサイクル法の概要や対象資材・工事などを詳しく解説します。手続きの流れや必要書類、罰則についても詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
建設リサイクル法とは?簡単に解説

建設リサイクル法では、対象となる資材や工事などが細かく決められています。詳しく見ていきましょう。
概要
建設リサイクル法は、建設廃棄物の適正処理や再資源化を目的として、2000年に制定された法律です。正式名称は「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」であり、建設工事などで生じる廃棄物を分別やリサイクルによって減らし、環境負担を少なくすることが目的です。
建設リサイクル法の対象になるのは、特定建設資材を用いた建築物等に係る解体工事や、施工に特定建設資材を使用する新築工事などです。一定規模以上の建設工事と定められているため、すべての建設工事が対象となるわけではありません。
対象となる工事では、コンクリートやアスファルト・木材の分別解体と再資源化が受注者に義務付けられます。廃材の適切な処理や再資源化を促進するもので、届出をしなかったり分別解体・再資源化を怠ったりするなど、違反した場合には罰則も設けられています。
対象となる資材
建設リサイクル法の対象となる建設資材は、次のとおりです。
- 木材
- コンクリート(プレキャスト版等を含む)
- アスファルト・コンクリート
- コンクリートと鉄の複合材(鉄筋コンクリートなど)
これらの資材は、分別解体や再資源化が義務付けられています。
対象となる工事
建設リサイクル法の対象となる工事は、以下のとおりです。
|
工事の種類 |
規模 |
|---|---|
|
建築物の解体工事 |
床面積の合計が80㎡以上 |
|
建築物の新築・増築工事 |
床面積の合計が500㎡以上 |
|
建築物の修繕・模様替え等の工事 |
請負代金の額が1億円以上 |
|
建築物以外の工作物の解体工事・新築工事 |
請負代金の額が500万円以上 |
自治体によっては、対象となる工事をさらに細かく定めている場合があります。条例で決められているため、管轄の自治体に確認しておきましょう。
発注者・受注者・元請業者の役割
建設リサイクル法では、適正な分別解体や再資源化が進められるように発注者や受注者、元請業者のそれぞれにさまざまな義務が課せられています。
発注者は分別解体の計画作成をおこない、工事に着手する7日前までに事前届出をおこないます。受注者は、分別解体や再資源化の実施、工事に関する標識の提示や技術管理者による廃棄物処理の監督をおこないます。元請業者は発注者への再資源化の完了確認、および発注者への報告が義務付けられています。
三者それぞれに役割があり、適正処理が正しく進められているか確認できる仕組みです。
建設リサイクル法の届出方法

建設リサイクル法では、受注者は工事に着手する7日前までに都道府県知事に事前届出を提出すると定められています。届出の流れや必要な書類を確認しておきましょう。
届出の流れ
建設リサイクル法に基づいて対象の建設工事を実施する場合は、事前届出などさまざまな手続きが必要です。全体の流れは、以下のとおりです。
- 分別解体や再資源化の方法や内容を書面を交付して説明(発注者、受注者)
- 分別解体等を明記した契約書面にて契約(発注者、受注者)
- 工事着手7日前までに分別解体等の計画等について都道府県等に届出(発注者)
- 現場への標識の設置、技術管理者による施工管理、分別解体と再資源化(受注者、元請会社)
- 工事完了の報告(元請会社)
分別解体の計画や施工方法などに問題がある場合は、都道府県知事から計画の変更が命じられることがあります。また、適正な実施をおこなうための助言・勧告・命令などがおこなわれます。
必要な書類
工事の発注者は以下の書類を、工事に着手する7日前までに提出することが義務付けられています。
- 届出書(内容に変更が生じた場合は変更届出書)
- 別表(分別解体等の計画等、別表1、2、3のうち該当するもの)
- 工事の場所の付近案内図(地図等に工事施工場所を明示したもの)
- 立面図等設計図又は外観写真(建築物等の概要が把握できるもの)
- 配置図(大まかな敷地の形状、敷地内の建築物・築造物の位置と工事部分、前面道路の位置および幅員)
- 工程表
- 委任状(代理人が手続きする場合)
必要な書類の様式は、各都道府県のホームページなどに掲載されているため、事前に確認し準備してください。自治体によっては電子申請が可能な場合や、独自の様式が用意されている場合があります。委任状などが必要になるケースもあるため、提出前に自治体のホームページなどを確認しておきましょう。
建設リサイクル法の主な罰則

建設リサイクル法では、違反した場合の罰則も設けられています。主な違反内容と罰則は、以下のとおりです。
|
違反内容 |
罰則 |
|---|---|
|
必要な届出を怠った場合 |
20万円以下の罰金 |
|
未登録での工事実施 |
1年以下の懲役または50万円の罰金、業務停止処分 |
|
分別解体や再資源化に関する命令違反 |
50万円以下の罰金 |
|
標識の掲示を怠った場合 |
10万円以下の科料 |
自治体からの助言・勧告、命令に従わなかった場合も罰則が科せられます。
建設リサイクル法の対象外となる工事

建設リサイクル法では、以下のような一定規模以下の建設工事は対象外になります。
- 床面積80㎡未満の解体工事
- 500万円未満の新築工事、修繕工事
- 特定建設資材を使用しない工事 など
ただし、建設リサイクル法の対象外となった場合でも、廃棄物処理法に基づき正しく処理しなければなりません。廃棄物の種類を確認し、適切な処理方法で処分を進めましょう。
廃棄物に該当するかわからない場合は、廃棄物処理法の規定に基づき判断してください。
建設リサイクル法の違反事例

建設リサイクル法の違反事例では、事前届出や分別解体・再資源化に関する義務違反が多い傾向があります。
例えば、各都道府県知事への届出を失念してしまった場合や届出の内容が虚偽だった場合は、事前届出の義務違反になり、罰則の対象となります。また、特定資材を分別せずにまとめて解体した場合や再資源化せずに処分した場合は、再資源化の義務違反になるケースが考えられます。
建設リサイクル法の罰則は細かく定められているため、法の内容を正しく理解し、ルールに基づいた工事をおこなうことが大切です。
建設リサイクル法まとめ

建設リサイクル法では、木材やコンクリートなどの特定資材を使った一定規模の工事について、分別解体や再資源化が義務付けられています。資材を正しく再資源化することで廃棄物をできるだけ少なくし、資源の有効活用や生活環境を守ることを目的として制定されました。
発注者や受注者には書類作成や届出などが義務付けられているため、期日までに自治体への届出をおこない、必要な手続きを怠らないようにしましょう。
建設リサイクル法は対象となる資材や工事の規模が決められているため、すべての建設工事に適用されるわけではありません。しかし対象にならない場合でも、廃棄物処理法に基づいて正しく分別や処分をおこなうことが大切です。また、自治体ごとに条例などでさらに細かなルールが制定されている場合もあるので、必ず事前に確認しておきましょう。
対象となる工事を実施する場合は、建設リサイクル法をはじめ関連する法を遵守することが大切です。法律を正しく理解し、適切に工事をおこなうように心がけましょう。
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この記事を書いた人

山本 智也代表取締役
資格:京都3Rカウンセラー・廃棄物処理施設技術管理者
廃棄物の収集運搬や選別、営業、経営戦略室を経て代表取締役に就任。
不確実で複雑な業界だからこそ、わかりやすくをモットーにあなたのお役に立てる情報をお届けします。