プラスチック資源循環促進法とは?概要と対象の12品目をわかりやすく解説
目次
2022年4月に施行されたプラスチック資源循環促進法とは、プラスチック製品を設計段階から資源の節約や有効利用を促進して、ごみの削減を目指す法律です。
3R+Renewableを基本原則としており、地方自治体や消費者だけでなく、事業者も含めた取り組みが求められています。したがって、事業者は製品の設計段階から材料選び、廃棄物の処理を視野に入れて製造に携わらなければなりません。
この記事では、プラスチック資源循環促進法における事業者に求められる取り組みをわかりやすく説明します。プラスチック製品の設計から処理までの流れに困っている方は、ぜひご一読ください。
プラスチック資源循環促進法とは
プラスチック資源循環促進法は「3R+Renewable」を基本原則にして、プラスチック製品の使用と消費、廃棄を通して資源循環を促進するものです。
3R+Renewableの意味は、それぞれ以下のとおりです。
- Reduce : ごみの減量
- Reuse : 再使用
- Recycle : 再生利用
- Renewable:再生可能資源への切り替え
まとめると、プラスチック使用量の削減(Reduce)と再使用(Reuse)を追求しながら、廃棄物が出たときには再生利用(Recycle)をします。その上で、新たに製造する物は紙やバイオマスプラスチックなどの再生可能な材料に切り替え(Renewable)、資源循環を促します。
プラスチック資源循環促進法に基づく事業者が取り組むべきこと4つ
プラスチック資源循環促進法により、事業者が取り組むべき内容は以下の4つです。
- プラスチック製品の廃棄物の排出の抑制と再資源化のための設計
- 使い捨ての特定プラスチック使用製品の12品目の合理化
- 事業者による自主回収・再資源化
- 排出事業者による排出の抑制・再資源化の取り組み
それぞれ確認していきましょう。
1.プラスチック製品の廃棄物の排出の抑制と再資源化のための設計
プラスチックの資源循環を促進するため、製品設計の段階で「3R+Renewable」を意識した取組みが必要です。
3R+Renewableを意識した取り組みの例を、以下にピックアップしてみました。
- 軽量化や簡略化によるプラスチックの使用量の削減
- 容易な再生利用や再資源が可能な材料を使用
- 使用しているプラスチックの有効活用に関する情報発信
とはいえ、闇雲にプラスチック使用量を削減するだけでは事業が回らなくなる恐れがあるので、事前に計画を立てることが重要です。
2.使い捨ての特定プラスチック使用製品の12品目の合理化
使い捨てのスプーンやストローなど「特定プラスチック使用製品」に該当する製品を用いる業種は、プラスチックごみを増やさない工夫が求められます。
特定プラスチック使用製品の対象となる品目は業種ごとに分けられており、以下の12品目があります。
業 種 |
製 品 |
飲食業 |
フォーク |
宿泊業 |
ヘアブラシ |
洗濯業 |
衣類用ハンガー |
参考:特定プラスチック使用製品の使用の合理化 | プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラ新法)の普及啓発ページ
該当する業種は、無料で提供するプラスチックごみの抑制に取り組まなければなりません。特定プラスチック使用製品を合理化する具体的な施策を、以下に紹介します。
- 製品を薄肉化、または軽量化して消費量を減らす
- 原材料を生分解性プラスチックや、再生プラスチックに切り替える
- 特定プラスチック使用製品を有償で提供
- 製品を使用しない消費者にポイント還元など特典を用意して誘導
先述した「3R+Renewable」に則って事業を展開していれば、自ずと特定プラスチック使用製品を合理化できるようになるでしょう。
3.事業者による自主回収・再資源化
プラスチック製品を製造・販売する事業者は、自主回収と再資源化も求められています。
事業者が自主回収および再資源化を行う場合は、計画を作成して国に申請しなければなりません。認可を受けたら廃棄物処理法に基づく許可がなくても、使用済みプラスチック製品の自主回収と再資源化ができます。
ただし、再資源化には燃料として使用する熱回収は含まれていません。
事業者は消費者がわかりやすい場所に回収拠点を設置し、使用済みプラスチック製品を集める仕組みづくりも必要になるでしょう。
4.排出事業者による排出の抑制・再資源化の取り組み
プラスチックを含む産業廃棄物を出す事業者には、適正な処理が求められます。処理する際の具体的な取り組みは、以下の3つです。
- 排出を抑制
- 分別して排出
- 再資源化の実施
対象は事務所や工場、店舗などで事業を行う、ほぼすべての事業者です。ただし、従業員数が20人以下の「小規模企業」に該当する事業は除きます。
業種は限定されておらず、ボールペンやクリアファイルなどのオフィス製品も、事業者から排出された物は産業廃棄物として該当します。
したがって、小規模企業を除き、ほとんどの企業はプラスチックを含む産業廃棄物の排出の抑制と、再資源化に向けて取り組まなければなりません。自社で取り組むか、専門業者に適切な処分を依頼する必要が出てくるでしょう。
プラスチック資源循環促進法 まとめ
プラスチック資源循環促進法によって、ほとんどの事業者はプラスチックを含む産業廃棄物の排出の抑制と、処分の適正化が求められます。
山本清掃は京都市の本社近くに中間処理工場「KCC京都クリアセンター」を保有し、産業廃棄物の中間処理とリサイクル、処分まで対応しています。収集された産業廃棄物を同センターで取り分け、破砕してリサイクル率を最大化し、ごみの減量に貢献できます。
プラスチックの産業廃棄物の処分やリサイクルにお困りでしたら、山本清掃にご相談ください。山本清掃は電話・メール・LINE相談は無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。
この記事を書いた人

山本 智也代表取締役
資格:京都3Rカウンセラー・廃棄物処理施設技術管理者
廃棄物の収集運搬や選別、営業、経営戦略室を経て代表取締役に就任。
不確実で複雑な業界だからこそ、わかりやすくをモットーにあなたのお役に立てる情報をお届けします。