自分の土地に産業廃棄物は捨てていいのか?
自分の土地に産業廃棄物の投棄は違法!

産業廃棄物に該当するもの

産業廃棄物処分の流れ

収集運搬
収集運搬とは産業廃棄物を収集し、処分場まで運搬することを指します。原則として廃棄物の保管行為は含まれず、排出場所から最終処分場へ直接向かう必要があります。 産業廃棄物を収集運搬するには、都道府県からの許可を受けなければいけません。荷積みと荷降ろしで都道府県をまたぐ場合は、それぞれの県から許可を取得します。 また場合によっては、産業廃棄物を積み替えて運搬するケースも少なくありません。積み替えとは、運搬の途中で一度産業廃棄物を降ろし、別のトラックに積み替えてから運搬することです。積み替えの作業では囲いのある場所で行うこと、飛散や流出しないよう対策を行うなど、廃棄物処理法で基準が決められています。 ※出典:公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター).「産業廃棄物と一般廃棄物」(https://www.jwnet.or.jp/uploads/media/2019/04/20190424173855.pdf)(参照:2022.01.08)中間処理
中間処理とは、産業廃棄物を最終処分・リサイクルしやすい形態にする処理のことです。中間処理の方法はさまざまありますが、主に以下5つです。 ・細かく砕いてから減容化する「破砕」 ・水分量が多いものから水分を取り除く「脱水」 ・リサイクルを行うための「選別」 ・産業廃棄物を燃やす「焼却」 ・有害物質を取り除く「無害化」 上記のような中間処理をせずにそのまま埋め立てた場合、人が住めない土地になってしまうといわれています。そのため中間処理は、産業廃棄物の処理過程において重要な役割を果たしています。 中間処理を事業として行う場合も、都道府県知事からの許可が必要です。処分業の許可に加え、産業廃棄物を処理する施設の設置許可も取得することになります。 ※出典:e-Gov法令検索.「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC0000000137)(参照:2022.01.14)再生処理
再生処理とは、リサイクルを行うための処理のことです。産業廃棄物を加工し、もう一度使用可能な状態にする工程で、主に以下3つの種類があります。 ・ケミカルリサイクル:化学的に分解(ガス化)して化学品の原料にする ・マテリアルリサイクル:産業廃棄物そのものの特性を活かして新たな製品の原料にする ・サーマルリサイクル:産業廃棄物を燃やす・固形燃料化して利用する 埋立処分は環境への負担が大きくなることから、可能な限り軽量化・再生利用・再資源化を行うよう決められています。 なお、環境省の「産業廃棄物の排出および処理状況等(平成29年度実績)について」によると、産業廃棄物の排出量は約3億8,354万トンです。汚泥・動物のふん尿・がれき類がほとんどで、リサイクル量は約2億22万トン(52.2%)となります。がれき類や金属くずなどのリサイクルが多く、廃油や廃アルカリなどのリサイクル率が低いのが現状です。 ※出典:環境省.「産業廃棄物の排出及び処理状況等(平成29年度実績)について」(https://www.env.go.jp/press/107628.html)(参照:2022.01.14)まとめ
産業廃棄物は廃棄物処理法による方法で処理・処分する必要があるため、無断で自分の土地に捨ててはいけません。自分の土地に産業廃棄物を捨てると、不法投棄や埋立地無許可設置で法律違反となるため要注意です。 ただ、最終処理場の設置許可を取得した場合は、自分の土地でも処理場として埋め立てができます。とはいえ、土地は公共性の高い存在です。最終処理場の許可や処理・処分方法には数多くのルールがあるため、しっかりと知識を付けて処分する必要があります。この記事を書いた人

山本 智也代表取締役
資格:京都3Rカウンセラー・廃棄物処理施設技術管理者
廃棄物の収集運搬や選別、営業、経営戦略室を経て代表取締役に就任。
不確実で複雑な業界だからこそ、わかりやすくをモットーにあなたのお役に立てる情報をお届けします。