産業廃棄物の処分で使用するバッカンとは?種類や使い方を紹介
建設現場などの特殊な事業場では、スクラップなどの産業廃棄物が多く出る傾向にあります。一般家庭で出る産業廃棄物よりも、比較的サイズが大きいものが多く出るため、現場での管理に苦労しているケースもあるでしょう大量の産業廃棄物を処分する場合に活用できるのが、バッカンです。
本記事ではバッカンの主な種類、具体的な積載・運搬方法などをくわしく解説します。またバッカンを設置する際に検討すべきポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
バッカンとは
バッカンとは、底が四角形になっている鉄製の大型容器のことです。強度が高く、装具が取り付けられているため、何かに固定したり積み重ねたりと、さまざまな用途で活用できます。
バッカンは「脱着式コンテナ」や「産廃ボックス」などと呼ばれることもあります。一般的に建設現場や解体現場などで出た金属くずや木くず、がれき類などの産業廃棄物を一時的に保管する際に、バッカンが用いられることが多いです。
バッカンの大きさの種類
バッカンにはさまざまな種類があり、用途や産業廃棄物を処理する量などによって使いやすい大きさが異なります。一般的に使用されているサイズは、1~3立米(りゅうべい)のバッカンが多いです。
立米とは容積を表す単位の一つで、立方メートルと同等の大きさを意味します。1立米の大きさの目安は縦1m、横1m、高さ1mです。バッカンのサイズを表す際は、mm単位で記載されています。
産業廃棄物が出る量にもよりますが、おおよそ1~8立米の大きさのバッカンを用意すれば、一般的な事業場で出た産業廃棄物の運搬収集はほぼ対応できます。
2立米のバッカンは設置スペースが狭い場所でも使い勝手がいいサイズです。産業廃棄物の量が多い事業場に設置する場合は、4立米以上のバッカンが用いられます。
重量のある産業廃棄物が出やすい事業場で使用する場合は、6~8立米の大きさのバッカンを用意すれば、一度に回収できる量を増やせるため、管理がしやすくなるでしょう。
さらに大型の産業廃棄物の運搬収集に用いる場合は、13~20立米の大きさのバッカンがおすすめです。なかには、30立米を超える大きさのものもあります。事業場に設置する際は設置スペースの広さ、産業廃棄物の大きさ・重量なども考慮して選びましょう。
容量別・大きさの目安
バッカンにはさまざまなサイズのものがあります。バッカンの大きさは取り扱っている会社によって異なる場合もあり、同じ容量のバッカンでも縦・横の長さや高さが違うケースもあるため、大きさを確認してから設置するサイズを検討しましょう。
バッカンの大きさの目安を容量別に以下の一覧表にまとめたので、サイズ感を確認してみてください。
バッカンの容量 |
縦の長さ |
横の長さ |
高さ |
0.5立米 |
約600mm |
約1200mm |
約600mm |
1.5立米 |
約900mm |
約1800mm |
約900mm |
2立米 |
約1000mm |
約2000mm |
約1000mm |
3立米 |
約1800mm |
約1800mm |
約900mm |
4立米 |
約1800mm |
約1800mm |
約1200mm |
6立米 |
約900mm |
約1900mm |
約3500mm |
8立米 |
約1900mm |
約3600mm |
約2000mm |
13立米 |
約1900mm |
約3600mm |
約2000mm |
バッカンの使い方を紹介
バッカンの使い方を確認しておきましょう。バッカンの積載や運搬の際は、サイズによって方法が異なります。例えば、1~3立米のバッカンを使用する場合は、トラックの荷台に積載して運搬するのが一般的です。トラックの荷台に積み込む際は、クレーンやフォークリフトを使用します。
大型のバッカンを使用する場合は、アーム着脱装置付きのコンテナ車のツメにバッカンを引っかけてトラックの後部に載せて運搬します。バッカンの積み降ろしの際は、一方を地面に接地する形で傾けて引き上げるため、バッカンの下部にローラーが取り付けられている場合が多いです。
バッカンの設置を検討する際のポイント
バッカンは事業場の用途や設置スペースに合わせて、適切なサイズを選ぶことが大切です。容量が大きいバッカンを設置すれば、多くの産業廃棄物の収集・運搬が可能なため、効率良く作業を進められます。しかしサイズが大きすぎるものを設置すればスペースをとられてしまって、現場での作業や管理がしづらくなります。
一方でバッカンが小さすぎる場合は、産業廃棄物がすぐに満杯になってしまい、頻繁に収集・運搬を繰り返さなければなりません。またバッカンを設置するメリットは多くありますが、設置するのに費用がかかります。バッカンの設置を検討している場合は、産業廃棄物を処理する業者などに相談しましょう。
まとめ
バッカンは建設現場や解体現場など、産業廃棄物が多く出やすい事業場で活躍している脱着式コンテナです。鉄製で強度が高く、固定や積み重ねも可能で、効率的に産業廃棄物の回収を行えます。
バッカンにはさまざまなサイズの種類があるため、事業場で出る産業廃棄物の量や重量などを考慮して、大きさを選びましょう。ただし適切なサイズを選ばないと作業効率が落ちる可能性もあるため、産業廃棄物の処理を行っている専門業者に相談してから、選ぶことをおすすめします。
この記事を書いた人

山本 智也代表取締役
資格:京都3Rカウンセラー・廃棄物処理施設技術管理者
廃棄物の収集運搬や選別、営業、経営戦略室を経て代表取締役に就任。
不確実で複雑な業界だからこそ、わかりやすくをモットーにあなたのお役に立てる情報をお届けします。