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産業廃棄物収集運搬

公開日:2022-07-28   更新日:2022-08-08

特定有害産業廃棄物とは?判定基準とあわせて解説

産業廃棄物を取り扱いしている事業者の中には、「特定有害産業廃棄物って何?」「特定有害産業廃棄物に判定基準について知りたい」などの疑問をお持ちの方も大勢いることでしょう。

特別管理産業廃棄物の中で、特に有害性の高い物質などが特定有害産業廃棄物に該当します。

本記事では、判定基準も含めて特定有害産業廃棄物について詳しく解説。特別管理産業廃棄物の処理責任についても紹介しているので、興味のある方はぜひ参考にしてください。

特定有害産業廃棄物とは?

特定有害産業廃棄物とは、特定の事業活動に伴い発生する特別管理産業廃棄物の中でも、特に有毒性の高い物質、またはそれを含む廃棄物のことです。

特別管理産業廃棄物については、廃棄物処理法第2条第5項で規定されていて、揮発性の高い廃油、腐食性の高い廃酸などが代表的なものとして挙げられます。

特定有害産業廃棄物には、ダイオキシンや重金属、PCB廃棄物などが挙げられますが、特別管理産業廃棄物との区別は、含まれる有害物質の濃度、廃棄物が発生する事業所の業種などの組み合わせによって判断されます。

産業廃棄物を取り扱う事業者は、健康被害や環境破壊にもつながる特定有害産業廃棄物をしっかり把握して管理する責任があり、その中でも特に危険な特定有害産業廃棄物を正しく分類して取り扱わなくてはいけません。

有害産業廃棄物を処分するには、焼却、中和、還元、酸化、凝集沈殿、シアン分解などさまざまな方法がありますが、燃えカスなどを建材などへリサイクルすることも可能となっています。

特定有害産業廃棄物の種類

特別管理産業廃棄物のうち、特に有害性の高い物質を含んだ廃棄物である特定有害廃棄物は11種類存在します。

以下に、環境省のWebサイトに記載されている情報から詳細をご紹介します。

出典:環境省 特別管理廃棄物規制の概要 https://www.env.go.jp/recycle/waste/sp_contr/ (2022/7/29

PCBなど

PCBおよびPCBを含む廃油。

PCB汚染物

PCBが染み込んだ汚泥、PCBが塗布また染み込んだ紙くず、PCBが染みこんだ木くずまたは繊維くず、PCBが付着または封入された廃プラスチック類や金属くず、PCBが付着した陶磁器くずやがれき類。

PCB処理物

PCBまたはPCB汚染物を処分するために処理したもので、環境省令で基準に適合しないもの。

廃水銀など

・特定の施設において生じた廃水銀など。(水銀使用製品が直接産業廃棄物となったものに封入された廃水銀などは除く)

・水銀やその化合物が含まれている産業廃棄物から回収した廃水銀、または水銀使用製品が産業廃棄物となったものから回収した廃水銀。

指定下水汚泥

下水道法施行令第13条の4の規定により指定された汚泥。

鉱さい

重金属等を一定の濃度を超えて含む鉱さい。

廃石綿など

石綿建材除去事業に係るもの、および大気汚染防止法の特定粉じん発生施設が設置されている事業場から発生し、飛散するおそれのあるもの。

燃え殻

重金属など、ダイオキシン類を一定の濃度を超えて含む燃え殻。

ばいじん

重金属など、1,4-ジオキサン、ダイオキシン類を一定の濃度を超えて含むもの。

廃油

有機塩素化合物など、1,4-ジオキサンを一定の濃度を超えて含むもの。

汚泥、廃酸または廃アルカリ

貴金属など、有機塩素化合物など、1,4-ジオキサンを一定の濃度を超えて含むもの、廃酸または廃アルカリで重金属など。

特定有害産業廃棄物に分類される3つの判定基準

特別管理産業廃棄物のうち特定有害産業廃棄物であるかないかは、以下の3つの観点から判断されることになります。

・特定有害産業廃棄物の種類に含まれるもの

・特定の業種、施設から排出されるもの

・有害物質の量が基準値を超えているもの

これら3つの基準を全て満たしていれば、特定有害産業廃棄物であると判断されます。

特定有害産業廃棄物の種類は前項で紹介したとおりです。

特定有害産業廃棄物の中でも「燃え殻」「ばいじん」「廃油」「汚泥、廃酸または廃アルカリ」については、排出元の施設が限定されており、業種や施設の規模や対象となる有害物質の種類などが細かく定められています。

また、「PCB処理物」「指定下水汚泥」「鉱さい」「燃え殻」「ばいじん」「廃油」「汚泥、廃酸または廃アルカリ」に関しては、「廃棄物処理法施行規則および金属等を含む産業廃棄物に係る判定基準を定める省令」に基づいて、検出される有害物質の判定基準が詳しく定められています。

判定基準に該当しなければ普通産業廃棄物として処理できる?

特定有害産業廃棄物であるかどうかは、前項で紹介した特定の3つの基準を満たしているかどうかよって判断され、基準を満たしていない産廃物に関しては法律上では普通産業廃棄物になるのです。

「それなら普通産業廃棄物として処理しても良いのでは?」という疑問を持つ方も出てくるのも当然で、実務上は特定有害産業廃棄物として処理することもあります。

しかし、現実には特定有害物質を含んでいる産業廃棄物は安全面を考えて特定有害産業廃棄物として処理されているケースがほとんどです。処理方法の判断がつかない場合は行政に相談して、できる限りリスクを避けることをおすすめします。

特定管理産業廃棄物の処理責任について

特別管理産業廃棄物とは、爆発性や毒性、感染性などの私たち人間の健康や生活環境に関わる被害を発生させる可能性のあるものであり、その中には特に危険だとされる特定有害産業廃棄物も含まれます。

そのため、排出事業者には生活環境の保安上支障のないよう、特別管理産業廃棄物の保管や処理基準が法律で明確に定められています。

以下に、特定管理産業廃棄物の処理責任について詳しく記載しているので、しっかり読んでくれぐれも間違いを起こさないよう注意してください。

責任者を選任する

爆発性や毒性、感染性のある特別管理産業廃棄物を発生させる事業者は、危険物の処理に関する業務を適切に遂行するために、特別管理産業廃棄物管理責任者を選任する必要があります。

特別管理産業廃棄物管理責任者の要件は、感染性産業廃棄物とそれ以外を扱う場合によって異なります。

以下にそれぞれの要件を記載します。

特別管理産業廃棄物管理責任者の要件(感染性産業廃棄物)

医師、歯科医師、薬剤師、獣医師、保健師、助産師、看護師、臨床検査技師、衛生検査技師又は歯科衛生士

2年以上環境衛生指導員の職にあつた者

大学、高等専門学校において医学、薬学、保健学、衛生学若しくは獣医学の課程を修めて卒業した者、又はこれと同等以上の知識を有すると認められる者

(省令第8条の171号参照)

出典:環境省「特別管理廃棄物規制の概要」https://www.env.go.jp/recycle/waste/sp_contr/2022-7-22

特別管理産業廃棄物管理責任者の要件(感染性産業廃棄物以外)

 

資格・学歴

課程

修了した科目・学科

廃棄物の処理に関する技術上の実務経験

環境衛生指導員

 

2年以上

大学

理学、薬学、工学、農学

衛生工学、化学工学

2年以上

理学、薬学、工学、農学

これらに相当する課程

衛生工学、化学工学以外

3年以上

短大・高専

理学、薬学、工学、農学

衛生工学、化学工学

4年以上

理学、薬学、工学、農学

これらに相当する課程

衛生工学、化学工学以外

5年以上

高校・旧制中学

 

土木科、化学科

これらに相当する学科

6年以上

理学、農学、工学に関する科目

これらに相当する科目

7年以上

(学歴要件なし)

10年以上

イからチまでと同等以上の知識を有すると認められる者

(省令第8条の172号参照)

出典:環境省「特別管理廃棄物規制の概要」https://www.env.go.jp/recycle/waste/sp_contr/2022-7-22

責任者の役割

特別管理産業廃棄物を排出する事業者によって選任された特別管理産業廃棄物管理責任者は、事業場の特別管理産業廃棄物の管理業務を、廃棄物処理法に従い適正に行う役割を担っています。

以下が、特別管理産業廃棄物管理責任者の具体的な業務内容の一部です。

・特別管理産業廃棄物の排出状況を把握する

・特別管理産業廃棄物の処理計画を立案する

・特別管理産業廃棄物の適正な処理を確保(保管状況の確認、委託業者の選定や適正な委託の実施、マニフェストの交付など)する

自治体によって異なる場合もある

特別管理産業廃棄物の管理責任者の選任方法は、自治体によって方法が異なることもあり、届け出などについては条例で定めているところもあります。

そのため、詳細については事業場がある自治体の担当部局に事前に問い合わせて、間違いのないようにしてください。

まとめ

いろいろな種類がある産業廃棄物の中には、爆発性や毒性、感染性などを有するものもあります。それを特別管理産業廃棄物と言い、その中でも特に有毒性の高い物質を含んでいる廃棄物が特定有害産業廃棄物です。

特別管理産業廃棄物になるか特別有害廃棄物になるかは、それらに含まれる有害物質の濃度や発生する業種や施設などの組み合わせで決まりますが、いずれも人体や環境などに悪影響をもたらす可能性が高いため、排出事業者は特定有害産業廃棄物などについてしっかり理解して、廃棄物処理法に則り、適切に廃棄物の管理や処分を行わなくてはいけません。

この記事を書いた人

山本 智也

山本 智也代表取締役

資格:京都3Rカウンセラー・廃棄物処理施設技術管理者
廃棄物の収集運搬や選別、営業、経営戦略室を経て代表取締役に就任。
不確実で複雑な業界だからこそ、わかりやすくをモットーにあなたのお役に立てる情報をお届けします。

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