廃棄物処理法とは?
目次

廃棄物を排出した事業者には、正しく処理する責務があります。また、処理の委託依頼を承っている代行業者についても同様です。本記事では、廃棄物処理法について解説します。廃棄物に携わる業務に就いている方は、ぜひ参考にしてください。
産業廃棄物の定義について
自分で使用したもの、あるいは売却が不可能となった不要なものをまとめて廃棄物といいます。廃棄物は、一般廃棄物と産業廃棄物の2種類があります。産業廃棄物は、廃棄物処理法によって定められた以下20種のゴミのことを指します。(注1)
- 燃え殻
- 汚泥
- 廃油
- 廃酸
- 廃アルカリ
- 廃プラスチック類
- ゴムくず
- 金属くず
- ガラスくずやコンクリートくず
- 鉱さい
- 瓦礫類
- 煤塵
- 紙くず
- 木くず
- 繊維くず
- 動植物性残渣
- 動物系固形不要物
- 動物の糞尿
- 動物の死体
- 政令第13号廃棄物
政令第13号廃棄物とは、他19種の産業廃棄物を処分するために処理されたものです。
このうち、廃油や廃酸、廃アルカリは爆発性や毒性の恐れがあるため、他の廃棄物と区別して扱う必要があります。また、病院などから出る産業廃棄物には、感染症病原体が含まれている恐れがあるため、感染症産業廃棄物と称して同様に区別して扱われます。
(注1)e-gov法令検索|廃棄物の処理及び清掃に関する法律
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC0000000137
産業廃棄物が正しく処理されるまで
産業廃棄物が出たら、排出した事業者には正しい手順で処理を行う責任が発生します。処理を始めるまで、事業者は正しい方法で保管しなければなりません。産業廃棄物には、処分場があります。そこまで、事業者が収集して運搬します。その後、正しい方法で処分あるいは再生を行います。
収集や運搬、処分、再生は、それぞれ専門業者に委託することも可能です。委託業者は、委託基準を遵守する必要があります。
廃棄物処理法によって定められている責務
廃棄物処理法の第3条のなかで、廃棄物を排出した事業者の責務について定められています。まず、廃棄物を排出した場合、事業者自らの責任で正しく処理する必要があります。
また事業者は、産業廃棄物のうち、すべてを埋立処分するのではなく、できるだけ再生利用ができるように努めなければなりません。これは、産業廃棄物が発生したあとの話だけではなく、できるだけ処理が困難にならないように製品や容器を開発するようにともされています。
そして、産業廃棄物を減らすために、地方公共団体の施策に協力するようにとされています。
廃棄物処理法を構成する3つの重大な要素
先述のように、産業廃棄物の処理に関するさまざまなことが廃棄物処理法によって定められています。産業廃棄物を排出する事業者や委託依頼を受けて処分を代行する業者は、廃棄物処理法に対して理解を深めておかなければなりません。
廃棄物処理法について詳しく知るためには、構成している3つの重大な要素が大切となります。
1.物の区分
廃棄物に対して理解を深めるためには、まず物の区分について知っておきましょう。物は大きく分けて、廃棄物と有価物の2種類に分類できます。人が対価を支払って購入するものが有価物、一方で対価を支払って処理してもらう物が廃棄物です。
2.認可制度の確認
廃棄物の処理を行うためには、認可が必要です。廃棄物は正しく扱わないとさまざまな問題に発展してしまうため、厳しく定められています。廃棄物の認可は、物の区分と収集運搬あるいは処分を組み合わせて合計6種あります。
- 一般廃棄物の収集運搬業
- 一般廃棄物の処分業
- 普通の産業廃棄物の収集運搬業
- 普通の産業廃棄物の処分業
- 特別管理産業廃棄物の収集運搬業
- 特別管理産業廃棄物の処分業
3.産業廃棄物を排出する事業者「排出者」
廃棄物処分法は、廃棄物を排出した事業者に対する責務について定められていますが、排出者という定義は存在しません。そのため、排出した責任はどこにあるのか、課題になってしまうケースがあります。基本的には、事業者をそのまま排出者に読み替えるとよいでしょう。
廃棄物に携わるなら廃棄物処理法を正しく理解しておくこと
廃棄物の取り扱いには、慎重にならなければなりません。適切な手順や方法で処分しなければ、深刻な問題に発展する恐れがあります。これは、廃棄物を排出する事業者、そして処分を代行してくれる専門業者すべてにいえることです。廃棄物に少しでも携わるのであれば、廃棄物処理法に対する理解を正しく深めておくことをおすすめします。
株式会社山本清掃は、京都市から優良認定を受けている産業廃棄物処理業者です。収集運搬から中間処分、リサイクルまで一貫した処理ができる点が強みです。信頼できる産業廃棄物処理業者を探している人は、ぜひご利用をご検討ください。
この記事を書いた人

山本 智也代表取締役
資格:京都3Rカウンセラー・廃棄物処理施設技術管理者
廃棄物の収集運搬や選別、営業、経営戦略室を経て代表取締役に就任。
不確実で複雑な業界だからこそ、わかりやすくをモットーにあなたのお役に立てる情報をお届けします。