事業系ごみとは?他のごみとは何が違う?
目次
排出されるゴミには、各家庭から出される「家庭ゴミ」のほか、事業活動により発生する「事業系ゴミ」が存在します。
この「事業系ゴミ」とは、具体的にどのようなもので、他のゴミとは何が違うのでしょうか。
今回は、事業系ゴミの概要について紹介し、他のゴミとの違いや事業系ゴミの分類方法のほか、具体的な事業系ゴミの処分方法について紹介します。
事業系ごみとは何なのか
事業系ゴミとは、事業活動を行うことにより発生したゴミのことを指します。営利・非営利を問わないため、事務所や飲食店、店舗等だけでなく、学校や公民館、病院、社会福祉施設といったゴミについても事業系ゴミと呼ばれます。
事業系ゴミは、家庭から出る一般のゴミとは異なり、法に基づいた適切な処分を行う必要があります。基本的には、家庭ゴミと同じように、一般のゴミ集積場に袋詰して出すことはできません。
このほかにも、処分を依頼する際には、許可を受けた廃棄物処理業者に依頼しなければならない等、注意すべきことがあるので、正確な知識を持って対応するようにしましょう。
事業系ゴミの分類
事業系ゴミは、「産業廃棄物」と「事業系一般廃棄物」の2つに分類されますが、それぞれの定義は以下の通りとなります。
*「産業廃棄物」:事業活動に伴い生じた廃棄物のうち、廃棄物処理法に定められた20種類のゴミ
*「事業系一般廃棄物」:事業で生じた廃棄物のうち、産業廃棄物以外のゴミ
産業廃棄物の分類
産業廃棄物20種類は、次の通りに分類されます。
このうち、1)~12)については業種を特性せず排出される産業廃棄物であり、13)~20)については、特定の業種から排出される産業廃棄物となります。
あらゆる事業活動に伴う産業廃棄物
業種を特定せず、あらゆる事業活動で生じる産業廃棄物は、以下の12種類となります。
1)燃え殻:石炭がら・灰かす・焼却炉の残灰・炉清掃排出物等
2)汚泥:工場排水などの処理後に残るもの等
3)廃油:動植物性油・鉱物性油・溶剤等
4)廃酸:硫酸・塩酸・写真定着液等の酸性廃液
5)廃アルカリ:ソーダ液・写真現像液等のアルカリ廃液
6)廃プラスチック類:発泡スチロール・廃プラスチック製品・容器包装等
7)ゴムくず:天然ゴムくず
8)金属くず:空き缶や鉄くず・非鉄金属くず・廃金属製品等
9)ガラスくず/コンクリートくず/陶磁器くず:空きビンや廃ガラス製品・廃陶器製品・廃石膏ボード・レンガくず等
10)鉱さい:高炉・転炉・電気炉等の残渣・不良鉱石・不良石炭等
11)がれき類:工作物の新築・改築や除去に伴い生じたコンクリート等
12)ばいじん:大気汚染防止法で規定するばい煙発生施設で集められたもの
業種が特定される産業廃棄物
特定の業種から生じる産業廃棄物は、以下の8種類となります。
13)紙くず:建設業で、新築や改築、除去等に伴う紙くず
紙加工品製造業・印刷出版業に関係する紙くず
14)木くず:建設業で、新築や改築、除去等に伴う木くず
製材業・木製品加工業に関係する木くず
15)繊維くず:建設業で新築や改築、除去等に伴う繊維くず
繊維工業に関係する木綿や羊毛等の天然繊維くず
16)動植物性残渣:魚へ獣の骨、内蔵のあら、野菜くず、パンくずなど
17)動物系固形不要物:家畜の解体等に伴って生じる骨等の不要物
18)動物のふん尿:牛・馬・豚・鳥などや毛皮獣等のふん尿
19)動物の死体:牛・馬・豚・鳥などや毛皮獣等の死体
20)汚泥のコンクリート固形化物等、1)~19)の産業廃棄物処分のために処理したもので、いずれにも該当しないもの
事業系ゴミの廃棄方法
事業系ゴミは、適切な方法を用いて廃棄を行わなければなりませんが、その廃棄方法は、「事業系一般廃棄物」と「産業廃棄物」とで異なります。
事業系一般廃棄物の廃棄方法
事業系一般廃棄物の廃棄方法は、次の2つとなります。
◇事業系一般廃棄物の廃棄方法2つ
- 清掃工場等に自己搬入する
- 許可を受けた委託業者に処理を依頼する
以下、これら2つの廃棄方法について説明します。
1. 清掃工場等に自己搬入する
事業系一般廃棄物を、自社で清掃工場等に搬入する方法です。
この場合、事前に清掃工場に廃棄物の搬入手続きを行っておく必要があります。
2. 許可を受けた委託業者に処理を依頼する
自治体から一般廃棄物収集運搬業の許可を受けている委託業者に処理を依頼し、事業系一般廃棄物の収集運搬までを行ってもらう方法です。
この方法では、自治体の定める処理手数料相当額の処理料金を支払う必要があります。
委託業者とは、事前に収集回数や収集時間、収集量や収集場所について伝えておくと、滞りなく契約ができます。
なお、これら自治体指定の委託業者については、自治体ホームページに一覧が掲載されていますので、こちらを参考にするとよいでしょう。
産業廃棄物の廃棄方法
産業廃棄物は、原則自治体では処理できません。
都道府県知事が許可する産業廃棄物処理業者へ委託を行わなければならないので注意が必要です。
産業廃棄物の処理品目により、業者の許可が異なっているので、業者は廃棄物の内容を確認した上で選定するようにします。
処理業者については、都道府県ホームページより検索できますが、該当の処理業者が見つからないという場合には、都道府県の廃棄物処理について取り扱っている部署に直接電話で確認することも一つの手となります。
専ら再生利用の目的となる産業廃棄物の廃棄方法
「専ら再生利用の目的となる産業廃棄物」に該当する産業廃棄物については、廃棄物処理業の許可を受けていない業者に処理を依頼することができます。
(※ここでいう「専ら再生利用の目的となる産業廃棄物」とは、産業廃棄物のうち、古紙・くず鉄・あきびん類・古繊維の4品目を指します。)
処理の依頼をする場合は、産業廃棄物管理票(産廃マニフェスト)の交付は不要ですが、引き渡し伝票等で記録を作っておく必要があります。
なお、「専ら再生利用の目的となる産業廃棄物」の4品目に該当しない廃棄物について、再生利用目的で処理を委託する際は、産業廃棄物処理の許可を受けている業者に委託する必要がありますので、注意が必要です。
正しい知識をもって事業系ゴミの処分を行おう
今回は、事業活動で排出される事業系ゴミの概要について紹介し、他のゴミとの違いや事業系ゴミの分類方法のほか、具体的な事業系ゴミの処分方法について紹介しました。
事業系ゴミは、一般の家庭ゴミと異なり、法に基づいた処理を行う必要があるほか、処理の際には、許可を受けている廃棄物処理業者に委託しなければなりません。
また、事業系ゴミには、「産業廃棄物」と「事業系一般廃棄物」の2種類があり、それぞれ廃棄方法が異なるため注意しましょう。
処理を業者に依頼する際には、自治体や都道府県のホームページより検索することができます。また、委託業者がなかなか見つからない場合には、自治体の廃棄方法処理関連部署に電話で問い合わせてみるとよいでしょう。
株式会社山本清掃は、収集運搬~中間処理、リサイクルまで一貫して依頼できる企業です。優良産廃処理業者の認定も受けているため、安心して産業廃棄物の処理を任せられます。スマホから簡単に問い合わせができるので、ぜひご利用をご検討ください。
この記事を書いた人
山本 智也代表取締役
資格:京都3Rカウンセラー・廃棄物処理施設技術管理者
廃棄物の収集運搬や選別、営業、経営戦略室を経て代表取締役に就任。
不確実で複雑な業界だからこそ、わかりやすくをモットーにあなたのお役に立てる情報をお届けします。