グリストラップとは?構造や仕組み・正しい清掃方法について徹底解説します!
目次
「グリストラップって何のこと?」
「グリストラップの中身はどうなっているの?」
このようにお考えではありませんか?
そこでこの記事では、「グリストラップとは何か」「グリストラップの構造・仕組み」について分かりやすく解説しています。
さらに、
- グリストラップの正しい清掃方法
- グリストラップの清掃を怠ると発生する3つの問題点
- グリストラップの清掃におすすめの方法
などについても紹介しておりますので、グリストラップについて分からないことはなくなるはずです。
グリストラップ(グリーストラップ)とは?
グリストラップ(グリーストラップ)とは、厨房の排水に含まれる生ごみや油脂が直接下水に流れてしまうのを防ぐ装置のこと。英語で表記するとGrease(油)+Trap(止める、罠)となります。
グリストラップを設置していないと、生ごみや油脂が直接下水道に流れて自然環境への悪影響が考えられるため、業務用の厨房には設置が義務付けられています。
また、グリストラップには生ごみや油脂を分離し収集する機能があるため一時的にごみを貯めることができますが、そのまま放置すると悪臭や害虫発生の原因となります。さらに、排水管の詰まりや逆流などの環境汚染の原因にもなりますので、グリストラップは定期的に清掃する必要があります。
グリストラップ(グリーストラップ)の構造・仕組み
グリストラップ(グリーストラップ)は、厨房の排水が入ってから下水道へ流れるまでに3つの槽に分けられていることが多いです。
第一槽では、厨房排水に混ざっている残飯や生ごみを取り除きます。大きなごみは網状のバスケットで受け止め、細かいごみは沈殿させることで下水道への流出を防ぎます。
第二槽では、さらに細かいごみが分離され、油脂が浮上することで水と分離します。
第三槽では、さらにごみや油脂分を分離させ、排水を下水道へ流します。
グリストラップ(グリーストラップ)の正しい清掃方法
グリストラップ(グリーストップ)は清掃箇所によって清掃方法や頻度が異なります。以下4箇所の清掃+交換を適切な頻度で正しく行うようにしましょう。
- バスケットの清掃(毎日)
- 浮上した油脂の清掃(週1回)
- 沈殿物の清掃(月1回)
- トラップ管の清掃(2~3ヶ月に1回)
- グリストラップの蓋交換(5年or10年に1回)
バスケットの清掃(毎日)
バスケットは大きな残飯や生ごみを受け止めるため、毎日清掃する必要があります。
バスケットの清掃には以下2種類の方法があります。
- 一般的な方法
- バスケット用ネットを使用する方法
一般的な方法
バスケットの取っ手を持ち、水気をしっかりと切ってから持ち上げます。次に、ごみ箱の上でバスケットをひっくり返してごみを取り出します。詰まりが目立つ場合は金属たわしなどを使用して追加で清掃するようにしましょう。
ただし、バスケットのサイズが大きい場合や、取っ手が長く作業しづらい場合は汚れる危険性があるため注意が必要です。
重労働は不安という方や、なるべく手間を省きたい方は次に紹介するバスケット用ネットを使用することをおすすめします。
バスケット用ネットを使用する
バスケット用ネットを使用する場合は、ネットを交換するだけの比較的簡単な作業です。
バスケット用ネットとは、グリストラップのバスケット部分に被せて使うネットのこと。一般家庭の台所にある三角コーナーネットと同じ仕組みのものになります。
バスケット用ネットは目詰まりしづらく水切れも良好です。さらに、横方向へは大きく伸び、縦方向には伸びにくい特徴があるため、ごみで重くなったネットでも楽に取り出すことができます。
ただし、バスケット用ネットを使用した場合でもバスケットは汚れていくため、定期的に金属たわしなどで清掃するようにしましょう。
※グリストラップ内のごみの注意点
グリストラップ内のごみは基本的に産業廃棄物となるため、専門の産業廃棄物処理業者に依頼する必要があります。ただし、バスケット内のごみに限り普通の生ごみとして処分可能です。
浮上した油脂の清掃(週1回)
第二槽に浮上した油脂は1週間に1回程度の頻度で清掃する必要があります。
油脂をすくい上げる際は、あく取り・ひしゃくを用いても可能ですが、重労働かつ長時間かかることから油吸着シートを使用することをおすすめします。
使用方法は、第二槽の水面上に、全体が覆いかぶさるように油吸着シートを浮かべて1週間放置するだけです。油吸着シートが油脂を閉じ込めて逃さないため、1週間ごとにシートを交換するだけで清掃することができます。
ただし、ラーメン店や中華料理店など、ラードを多く使用する店舗の場合は1週間よりも短い間隔で交換していく必要があります。自分の店舗に合わせて交換頻度を見極めるようにしましょう。
沈殿物の清掃(月1回)
第一槽でバスケットの網目を通過した細かいごみや第二槽に蓄積された汚泥は1ヶ月に1回のペースで清掃する必要があります。
沈殿物を清掃する際は専用のすくい棒の使用をおすすめします。
使用する際は、まずバスケットに蓄積したごみや、油脂分の清掃を先に行います。その上で、すくい棒を用いて沈殿したごみをすくいあげます。この際、先に沈殿物の清掃をおこなってしまうと、バスケットや油脂の清掃をした際に再びごみが溜まって二度手間になってしまうため注意が必要です。
また、沈殿物の清掃も店舗によって最適な頻度は異なります。最初のうちは頻繁に確認して自分の店舗に合った清掃頻度を模索するようにしましょう。
トラップ管の清掃(2~3ヶ月に1回)
トラップ管とは、第三槽にある排水を下水へ流す管のことです。
トラップ管に蓋があればそれを外し、金属たわしを用いて擦ってあげましょう。清掃頻度は2ヶ月から3ヶ月に1回が目安となります。
グリストラップの蓋交換(5年or10年に1回)
グリストラップ全体を覆う蓋は定期的に交換する必要があります。鉄製であれば5年、ステンレス製であれば10年が耐用年数と言われています。
ただし、実際には耐用年数より短い期間でダメになるケースも少なくないため、様子を見ながらタイミングを見計らって交換する必要があります。
清掃を怠ると発生する3つの問題点
グリストラップの清掃を怠ると、次のような問題が生じるため注意が必要です。
- 悪臭が発生する
- ネズミなどの害虫が発生する
- 排水管が詰まる
悪臭が発生する
グリストラップ内に溜まったごみや汚泥などの腐敗や、雑菌が繁殖することによって悪臭が発生します。
店内で悪臭がするとお客様に不快な思いをさせてしまい、結果として売上ダウンに繋がってしまいます。
悪臭を発生させないためには、定期的な沈殿物の清掃を怠らないことが重要です。
ネズミなどの害虫が発生する
グリストラップ内には生ごみや食べかすが溜まるため、清掃を怠るとネズミやゴキブリ、ハエなどの害虫が発生する原因となります。
排水管が詰まる
清掃を怠ると、グリストラップ内の汚泥が溜まって正常に機能しなくなってしまいます。グリストラップが機能しなくなると油脂が流出し、排水管が詰まることがあります。
排水管が詰まると、排水が逆流して悪臭を発生させたり、排水が厨房に溢れたりしてしまいます。
グリストラップ(グリーストラップ)の清掃は専門業者への依頼もおすすめ
グリストラップ(グリーストラップ)の清掃は専門の業者へ依頼するのもおすすめです。
グリストラップの清掃は負担が大きく、きちんと行っているつもりでも汚れが蓄積して手がつけられないような状態になってしまうケースも。このような場合にはグリストラップ清掃の専門業者への依頼を検討してみても良いでしょう。
グリストラップの清掃業者を選ぶ際は、以下の基準をもとに選ぶことが重要です。
- 産業廃棄物処理業の許可を得ているか
- 産業廃棄物処理業者として優良認定を与えられているか
- 清掃実績は豊富かどうか
業者に依頼する際はグリストラップのサイズや依頼頻度によっても異なるため、店舗にあった業者やプランを選ぶようにしましょう。
▼グリストラップ清掃業者の費用相場
|
100リットル未満 |
300リットル未満 |
年12回 |
7,980円 |
15,000円 |
年6回 |
9,000円 |
16,000円 |
年3回 |
11,000円 |
18,000円 |
年1回 |
24,000円 |
38,000円 |
グリストラップ(グリーストラップ) まとめ
グリストラップ(グリーストラップ)について解説しました。
▼本記事のまとめ
- グリストラップとは、厨房の排水に含まれるごみや油脂がそのまま下水に流れるのを防ぐ装置のこと。
- グリストラップは第一槽で大きな生ごみなどを取り除き、第二槽で油脂を分離し、第三槽でさらに分離し下水道へ流す。
- グリストラップは清掃箇所によって清掃頻度が異なる
- グリストラップの清掃には専用の道具を使用するのがおすすめ
- 清掃を怠ると「悪臭」「害虫」「排水管の詰まり」などのトラブルが起こる
- グリストラップ清掃の専門業者へ依頼するのもおすすめ
清掃業者の選定でお悩みの方は、是非一度、排水管清掃のプロ「山本清掃」にお問い合わせください。山本清掃は電話・メール・LINE相談は無料、更に現地調査・出張見積も無料なのでグリストラップの清掃を考えている方はお気軽にお問い合わせください。
本記事が、グリストラップについて正しく理解するためにお役に立っていれば幸いです。
この記事を書いた人

山本 智也代表取締役
資格:京都3Rカウンセラー・廃棄物処理施設技術管理者
廃棄物の収集運搬や選別、営業、経営戦略室を経て代表取締役に就任。
不確実で複雑な業界だからこそ、わかりやすくをモットーにあなたのお役に立てる情報をお届けします。